暖かな日差しに、日一日と春の訪れを感じられるようになりました。
本日は、多くの保護者の皆様にご列席いただき、令和元年度相野山小学校卒業証書授与式を挙行できますことを、厚く御礼申し上げます。
先ほど、一人ひとりの卒業生に、卒業証書を手渡しました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。三週間会わなかっただけなのに、また皆さんは一回り成長したように思います。本年度は、ご承知の通り、この卒業式自体が開催できるかどうか、とても心配をしましたが、こうしてみなさんに卒業証書を手渡すことができ、ほっとしています。
さて、皆さんは六年前、大きなランドセルを背負い、期待に胸を膨らませて、相野山小学校の校門をくぐったことでしょう。この六年間を長く感じた人、短く感じた人、人それぞれのことと思いますが、誰もが六年前とは見違えるほど、身体も心も成長したはずです。私が知っている皆さんは小学校生活の後半、四年生からの三年間ですが、その三年間の皆さんの成長ぶりには、目をみはるものがありました。「水」をテーマに学んだ四年生の総合的な学習。五年生では、野外活動での楽しそうな姿。市小中学校音楽発表会での美しいハーモニー。後半は「孫悟空」で幼稚園・保育園児やお年寄り、地域のみなさんに楽しんでもらうと同時に、自分たちに自信を持つことができましたね。また「六年生を送る会」での書道パフォーマンスはすばらしいものでした。そして六年生になり、登下校、あるいは縦割りのそうじや「あいかつ」で、また日常の学校生活の中で、懸命に下級生を導く、思いやりに溢れた姿。運動会では、五年生と力を合わせて作り上げたソーラン節、さらには競技・演技だけでなく、準備や片付けなど進んで働く姿に感心しました。また、修学旅行では、英語で外国人にインタビューするというミッションを遂行し、学習発表会では、英語劇を堂々と演じ、留学生の人たちにも楽しんでもらいましたね。そして三学期、もうすぐ卒業の三月というあの日、突然の臨時休校の発表。二月二十八日の朝、校門に立った私は、みんなにいつものように会えるのは今日が最後と思うと、涙があふれ、気持ちの整理がつきませんでした。そうしているうちに、登校が始まりました。いつもと変わらず、いやいつも以上に明るい顔で下級生を連れて登校してくるみなさんの笑顔に、私は救われ、そして教えられました。今日という一日を、精一杯生きるということを。
みなさんの人生は、まだまだこれからです。人生は「人として生きる」ことです。人は一人では生きてゆけません。「人」という字は互いに支え合うところからできているとも言われ、人間という字は人の間と書きます。みなさんがここまで成長できたのは、多くの人の支えがあったことに気付いていますか。そういった人たちに対して、「おかげさまで‥」という謙虚な気持ちと、「ありがとう」という感謝の心を忘れないでください。そして、今、皆さんの周りにいる人たち、さらに、これから出会う人たちを大切にしてください。
「人を信じよ。しかし、その百倍も自らを信じよ。」手塚治虫の言葉です。何が正しいのか、自分で判断できるように自分を磨き、自分も他人も大事にする。そういう人間になってください。
皆さんへの、はなむけとして、最後に「あ・い・の・や・ま」で始まる言葉を贈ります。
明るい未来へ
一日一歩
望みをもって
休み休みでもいいから
前へ進もう
保護者の皆様、本日は、本当におめでとうございます。お子様が立派に成長されたことを、心からお慶び申し上げます。六年間、さぞかしご苦労もあったことと思いますが、今日のお子様の立派な姿をご覧になって、そのご苦労も喜びに変わったのではないでしょうか。これからも温かく、そして、時には厳しく、お子様の成長を見守っていただきますよう、お願い申し上げます。
卒業生の皆さんの今後の活躍をお祈りし、式辞とさせていただきます。
R1卒業式.pdf